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LMC Draft Meister 2009


準決勝: 原田 貴仁(千葉) vs 十文字 諒(東京)

Written by Daisuke Kawasaki

準決勝開始前に、テーブルの上には 18 個のゼンディカーのパックが並べられた。

「これが今回負けた人の分です。この先は勝てば倍々になっていきます」

原田 「優勝して 2 Box もらえれば、スタンダードはじめる気になるかなぁ…」

マジックはリミテッドのみ、という原田。LMC にもドラフトだけやりに来ているらしく、事実出場権利(つまりは 3-0 した回数だ) 6 回という数字がそのドラフトの回数と実力を示している。

きっと、原田はこの大会で優勝して 2 Box を獲得しても、スタンダードをはじめる気などさらさらないのだろう。だが、リミテッドジャンキーを自認する原田だからこそ、この千葉最強のリミテッダーの称号は、ぜひとまではいかなくとも、興味のない者では無いはずだ。

なにせ、対戦相手の十文字からの

十文字 「スタンダードやるのに足りないカードあるならお譲りしましょうか?」

という申し出にまったく興味を示さないのだから、それはそれはドラフトジャンキーだ。

その対戦相手の十文字。

こちらもまた、リミテッドに関しては、ちょっと譲れない経歴の持ち主である。

なんと、昨年末に行われた Limits 2008 出場経験の持ち主なのだ。

十文字 「いや、ミスプレイ多すぎたから…」

とは言い、トップ 8 入賞こそ逃したものの、たとえば Player of The Year の中村 修平ですら、熱望しても獲得できなかった Limts 出場という権利。それを持っているというだけでも、リミテッダーとしては大きな勲章であろう。

ともに、リミテッド好きだからこそ譲れないこの対戦。勝つのは白黒同盟者の十文字か、赤単の原田か。

Game 1

十文字 諒
十文字 諒

先手十文字が 2 ターン目に《コーの装具役》をキャストするのに対して、原田は《探検者の望遠鏡》をキャストするのみと、出足で遅れてしまう。

原田が 3 ターン目に《溶鉄の荒廃者》をキャストしたことで、いったん盤面はおとなしくなるかと思われたが、十文字は《カザンドゥの刃の達人》を追加し、クロックをゆるめない。

原田が《破滅的なミノタウルス》をキャストするのに対して、十文字は《バーラ・ゲドの盗賊》の同盟者能力で原田の手札の《山》を捨てさせつつ、《カザンドゥの刃の達人》を 3/3 にして、2 体でアタック。原田は《破滅的なミノタウルス》《コーの装具役》をブロックする。

返しの原田の《溶鉄の荒廃者》のアタックは《落とし穴の罠》で対処し、さらに《オンドゥの僧侶》を追加して、《カザンドゥの刃の達人》を 4/4 にする十文字。同盟者システムは完成してしまうと手がつけられない。

Spire Barrage

ここで原田はすべての元凶である《カザンドゥの刃の達人》をやっと《尖塔の連射》で除去する。

いったん場が平らになったところで、十文字の展開が止まる。一方の原田はこの盤面では無類の強さを持つ《溶鉄の荒廃者》を戦場に追加し、開いていたライフの差を一気に詰める。

十文字は《コーの装具役》をキャスト。一方の原田は《ゴブリンの廃墟飛ばし》をキッカー無しでキャストして、頭数を増やす。それを許さず十文字は《コーの装具役》《精霊への挑戦》でプロテクション赤を与え、《ゴブリンの廃墟飛ばし》を一方的にブロック。

ここで、十文字は、ブロッカーとして《コーの装具役》を残さずに、アタックした上で、マナを残してターンエンド。これはあからさまに《落とし穴の罠》が怪しい場面だが、原田は《落とし穴の罠》を恐れずに、《溶鉄の荒廃者》をフルパンプする。

返しのターンに、ブロッカーを追加して守りの構えを取った十文字だったが、時すでに遅し。十文字のライフは《尖塔の連射》の射程圏内なのだった。

原田 1-0 十文字


Game 2

原田 貴仁
原田 貴仁

後手の原田がマリガン。さらに配られた 6 枚の手札を見て、小考するが、これをキープ。

十文字は 2 ターン目に《コーの装具役》をキャストし、3 ターン目には《雨雲の翼》をエンチャントしてアタック。赤単の原田には、このタフネス増加が地味に痛い。

原田は《板金鎧の土百足》をキャストし、ダメージレースをしつつ牽制をかますのだが、十文字は《コーの鉤の達人》をキャストして、《板金鎧の土百足》を封じる。

原田は《ゴブリンの廃墟飛ばし》を追加。対する十文字の回答は《迷いし者の番人》。この《迷いし者の番人》《尖塔の連射》で対処するものの、《板金鎧の土百足》でアタックした隙に、《風をまとう突撃》で一気に原田のライフを削って行く。

この時点で、飛行を止める手段の無い原田。十文字の《雨雲の翼》が見事はまった形となった。

原田 1-1 十文字


Game 3

泣いても笑っても最後のゲーム。とはいっても、まだ準々決勝をやっているテーブルがある中でのゲームであり、本当にこの環境は早い時は早い。

時間は十分にあるため、十文字は一度シャッフルしたデッキを、戻して、改めて入念なサイドボーディングを行う。

先手は原田。

1 ターン目に《ゴブリンの奇襲隊》という珍しく早い展開に対して、十文字はこのマッチではじめて 2 ターン目にクリーチャーが出ない。

お互いに 3 ターン目に土地を置くのみという、これまでの 2 ゲームとは大きく違う展開をみせ、なんと 4 ターン目も動き無し。1/1 が淡々と殴る展開となる。

大きな動きがあったのは、5 ターン目。原田がキャストした《タクタクの唸り屋》が速攻でアタックすると、これが《落とし穴の罠》で除去される。

そして、さらに十文字は《恐血鬼》をキャストする。だが、原田は《タクタクの唸り屋》の 2 枚目をキャストして、今度こそダメージを通す。なにより《ゴブリンの奇襲隊》が予想を超えて 4 点ものダメージを稼いでくれているのが大きい。

Shieldmate's Blessing

だが、ここで十文字は《カザンドゥの刃の達人》をキャスト。さらにこれに《雨雲の翼》をエンチャントすることで、ほぼ原田に対して無敵の怪物を作りあげようとする。さすがにそれは許せぬと、原田はスタックして《噴出の稲妻》をキャストする。

そこに突き刺さる《盾の仲間の祝福》

ここまで劇的に効果を発揮したサイドボードがあっただろうか。

これによって、計算外に火力を失った原田。《ムラーサの紅蓮術士》をキャストし、《恐血鬼》を除去しつつ、《タクタクの唸り屋》を 4/4 にし、《カザンドゥの刃の達人》を乗り越えるのだが、それも 1 ターン。返しで十文字は《マキンディの盾の仲間》をキャストし、またも《タクタクの唸り屋》の乗り越えられないサイズへと強化する。

だが、原田のデッキも卓内最強と噂される赤単デック。2 枚目の《ムラーサの紅蓮術士》《マキンディの盾の仲間》を除去しつつ、《タクタクの唸り屋》を再び《カザンドゥの刃の達人》を乗り越えられるサイズへと強化してくれる…ハズだった。

これを《精霊への挑戦》のプロテクション赤で対応する十文字。そして、このリアクションに原田は動揺し、なんと、プロテクション赤を持ったクリーチャー 2 体に向かって虎の子の《タクタクの唸り屋》をつっこませてしまう。

こうして目下もっとも懸念されていたクロックである《タクタクの唸り屋》を対処することに成功した十文字。こうなると、盤面に大した脅威の無い原田は非常に厳しい。

そして、原田に立て直しの時間を与えずに《風をまとう突撃》で十文字はゲームに勝利したのだった。

原田 1-2 十文字


十文字 「Limits の第 3 世代として、ぜひこの大会を優勝して、弾みをつけて、月末のグランプリでも好成績を残したいです!」

初年度の Limits は、プロツアーチャンピオンの「覇王」黒田 正城、「王者」大澤 拓哉をはじめ、「鉄人」石田 格、そして「虎」小倉 凌とタレント揃いのイベントだった。

2 年目の Limits は、当初はタレント不在のイベントと思われていたが、優勝者の持木はタカラトミー時代のライター陣を支える一角であったし、平島・植田といったプレイヤーが最近になって、めきめきと頭角を現してきている。

その流れを断ち切らないためにも、十文字にはがんばって欲しいというのは、筆者の Limits 贔屓がすぎるだろうか。

十文字が、Limits の名を背負い、「魔界の新世代」門田と決勝を戦う。

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